本日はドラゴンキラーがお買い得ですッ その1

第一話 本日限定、ゴブリンキラーを特売しますッ・前編

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　ヴィナス村の宿屋、というよりもそのバロック調の宮殿を思わせる１０階建の荘厳な建物は、下手な小国の城よりも遥かに優雅な佇まいであり、それは既にホテルと呼ぶべきものだろう。
　それはヴィナス村一番の豪華な建物だ。
　中の施設も豪華だ。
　温泉、カジノなどの娯楽施設も備えている。
　魔王の城に一番近いヴィナス村では回復の需要が高い。そのため宿屋を利用する冒険者は多かったのである。そうした儲けを、カジノで大いに膨らませてきた。
　ヴィナス村一の大富豪。
それがヴィナス村の宿屋なのである。

　さて、そうした宿屋の一階には大会議室がある。
　大理石の円卓の置かれた、それは立派な会議室なのだが、今、ヴィナス村の商人達が一堂に会して円卓を囲んでいた。

「さて、テメェ等。わざわざ集まってもらったのは他でもねェ。今後のヴィナス村の経済をどうしていくか、それを話しあうためだ」
　円卓の上座に構える、高級そうな白スーツを着たツンツン頭の目つきの悪い男が言った。
　宿屋の若旦那・スミスである。