第一話  本日限定、ゴブリンキラーを特売しますッ・前編

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 怒号と共に円卓に叩きつけられる拳があった。  見れば、激昂した表情のスミスが場を睨みつけている。  それに気圧されてシンとなった会場に向かって、 「そうじゃねェだろッ。いつまで昔話に花咲かせてやがるッ。できねェ理由なんざァ聞いてねェッ。愚痴なんざァ無意味だッ。……そうじゃなくて、この現状の中で俺様達は何をすりゃ良いのかッ、それを話し合えってんだよッ」  スミスがそれまで以上の大声で叫んでいた。 「そう怒られてもさぁ。……つまり、この村を救う手を考えようってことでしょ?」 「だから、そう言ってんだよッ」 「そんな簡単にはいかないよねぇ。世界は大きく様変わりしたんだよ。その間、僕等は何もしてこなかった。……急に何かしようとしても、……難しいよねェ……」  オーウェンは溜息を吐いた。  いや、オーウェンだけではない。  円卓全体に諦めのムードが漂っている。  誰もがオーウェンの意見に賛同しているのかと思われたその時……、 「いや、難しくはござらんッ」  武蔵が叫んだ。 「武蔵さん?……どうしたの?」 「どうしたもこうしたもなかろうッ。拙者、スミス殿の意見に感銘を受け申したッ」     
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