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「んで、結局どうすんの」
翌日の朝 俺と梨華は電車に揺られていた。
家が近いからたまにこう
電車でばったり一緒、ってな事が多い。
「え~、もしかしたらするかも?」
自分の事なのに疑問形で言う梨華。
さらに横目で様子を伺えば
頬骨辺りが紅く、誰かを追うような目で
電車の窓の外を見ている。
あー、これマジなやつだな...
心の中でそう思った。
今まで梨華は告られたこともあったし、
短い期間だが付き合っていた相手もいた。
でも梨華のあんな顔を見るのは初めてだ。
「そうか」
頑張れよ の言葉が喉の奥でつっかえ
口に出来なかった。
つり革を持つ手が強くなる。
梨華が笑う。
「反応うっすいなぁ笑」
「そんなことねぇよ笑」
「もしかして~嫉妬ですか?」
梨華が面白そうに俺の顔を覗く。
「馬鹿言うな」
俺は波打つ心臓を抑えながら否定した。
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