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___ザーーッ...___ 学校帰り、 家の最寄り駅に停車した電車から降りると 雨が降っていた。 ホームは屋根があるも 人が持つ傘から垂れる水で濡れている。 俺が学校を出て電車に乗る時は 降っていなかった為 自分の傘はまだ濡れていなかった。 改札口で定期をかざし 傘を差そうをすると 見慣れた後ろ姿に気がついた。 「梨華?」 呼びかけに反応し振り向いたのは やはり梨華だった。 振り向いたその顔は 泣きそうな顔で 俺だと分かると 梨華は無理矢理 目尻を下げた。 「...もう笑 ビックリしたなぁ」 「傘、持ってないのか」 梨華はこくんと頷く。 「これ やるから使えよ」 俺は留め具を外した傘を差し出す。 「何言ってんの笑 それじゃ そっちが帰れないじゃない」 そう言う梨華に 別にいいから と言おうとするが先に 梨華が傘を取ってバッと広げた。 「なら一緒に帰ろうよ 私だけ使うなんて出来ないよ」
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