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結局
俺と梨華は同じ傘に入り
弱くない雨の中を歩いていた。
同じ隣に立つのでも
傘の中となるだけでなぜこんなにも
気持ちが落ち着かなくなるのだろうか。
俺は梨華が濡れぬよう傘をさりげなく
傾けながらそんな事を考えていた。
「...ねぇ?」
雨が弱まった頃、梨華が言った。
どうした?と前を向いて答えると
ちょっと間をあけて再び梨華が口を開く。
「私さ 予想外れちゃった」
あはは と心から笑ってない声が聞こえる。
「雨降った事?」
違う。分かってる。
梨華はきっと告白をした。
そして、良くない結果だったのだろう。
でも俺はわざとそう聞き返した。
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