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おいらは長い長い間生きて来た。 ずっと長いこと一人ぼっちで生きて来た。 仲間がいたこともあったけど、もう忘れちまったよ。 おいらが死んだ理由? 何だろうなぁ。 おいらを研究した人間が、おいらの身体を開いて調べてたけどよ、わからなかったみたいだぜ。 まあ、長く生きたもんな。100年とか150年とか言われているらしけど、実際は誰も知らないのさ。 最後のガラパゴスゾウガメ『孤独のジョージ』なんて呼ばれてさ、独りきりになったおいらは、とうとう死んじまったのよ。 まあ、そんなわけで。ピンタゾウガメは、おいらが死んだことで絶滅しちまったよ。 ナワバリ争いもない、メスの取り合いもない、食うものにも困らない。 平和な毎日を、柵の中で、ただ自分の為にだけ生きてきた。 ずっと一人ぼっちさ。 おいらは一体何のために、こんなにも長い時間生きていたんだろうなぁ。 もし、今度があるなら……、今度はさ、たくさんの子孫を残したいね。 次々と子供が生まれるようなさ。 たくさんの仲間に囲まれて。 命は短くたっていいから、精一杯生きたい。
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