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そういえば。ふと好奇心に駆られて、神様に尋ねた。
蝋燭の太さが幸福の度合いを表すのなら。
蝋燭の長さは何を表すのか。
神様は少し感嘆したように声を上げて、命の長さだよと風が流れるように呟いた。
「一センチで一年くらいかな。寿命、事故、病気、戦闘とかで死ぬまでの時間を表してるのさ。」
「死因は決まっているの?」
「うん。時々例外はあるけどね。」
「なら、さっきの蝋燭みたいに途中で火が消えちゃうってことはないんじゃないの?」
「いや、あるんだよ。それらの死因は自分の意思によるものではないだろう。自分が死にたいからといって、自由自在に事故にあったり病気になることもできないしね。」
自分の、意思。思考に引っかかり、掴み、離さず、そのまま浮き雲のようにポツンと心の中に残った。そしてただ二つの漢字だけに変形して、こびりついて離れない。
「あれは、自殺した人の?」
「そう、正解。」
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