戦乙女はじめました3

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 ドゴオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォン!!  ……爆発。  それも、まるで数十台もの大砲が一斉に火を噴いたかのような、耳を(ろう)する爆音がダンジョン内に(とどろ)き渡った。  『キュキュウッッッ!?!?!?』  焼け付くような爆風に背中を叩かれ、アルミラージがもんどりを打つ。  雪のように白い体毛を焦がされ、完璧に恐慌を来たした鳴き声を上げながら……しかし、それでもどうにか体勢を立て直し、再び走り始めた白ウサギの魔物は弾かれるように背後を見やった。  そして……。  「【焼き焦がせ、火炎の(つぶて)】」  次の瞬間、彼はたった今耳にしたばかりの呪文と共に、炎をまとった片手を自分に照準するレオンハルトの姿を捉えた。  『キュッ……!!』  ぞわり。アルミラージの全身が総毛立つ。  (つぶ)らな瞳が見つめる先に、まさに振り下される寸前の死神の大鎌を認めて、大慌てで前へと向き直った。  直後、パンク寸前まで心臓を酷使し、一条の風になって走り出したアルミラージの背後から、爆発音と共に再び灼熱の暴風が吹き荒れた。  ドゴオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォン!!
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