戦乙女はじめました3

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 「そこで倒れている男、魔王軍参謀総長殿……いや、薄汚い反逆者は、“半魔の身でありながら”ジ……魔王様に実力を買われ、さんざん目を掛けられていたにもかかわらず、こともあろうに恩人たる我らが王に弓引く真似をしたのだ」  「……弓引く真似?」  声を潜めつつ、レオンハルトがオウム返しに聞き返すと、トイフェルは鷹揚(おうよう)に頷いて言葉を続けた。  「ああそうだ。部外者に詳しい話はしてやれんが……とにかく、しでかしたことへの落とし前は付けねばならん。だから、俺がこうして直々に引導を渡してやろうと出向いてやったわけだが……」  ちらり、トイフェルはジャンピエールを一瞥しつつ、再び片眉を吊り上げる。  「しかし、俺がここでジャンピエールを見つけた時、既にヤツは虫の息だった。それも、病気か何かで弱ったわけではない。“何者かから凄まじい一撃を受け、満身創痍になっていた”のだ」  「っ」  レオンハルトは息を呑んだ。  緊張に顔を強張らせる勇者をよそに、トイフェルは続ける。  「半魔の青瓢箪(あおびょうたん)とはいえ、まがりなりにも魔王軍の大幹部。いったい誰にやられたのかと尋ねたが、一向に口を割らん」
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