戦乙女はじめました3

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 苦しげに顔を(ゆが)めつつ、それでもなお数十秒ほど業火を放射し続けたレオンハルトだったが、やがて少しずつ彼の魔法は威力を落とし、徐々に、徐々に収束していき……。  ……ほどなくして、炎系殲滅魔法【ゾンネ・ヴートゥアンフェル】は完全に収まった。  「はぁ……はぁ……はぁ……っ」  荒い呼吸と共に、崩折(くずお)れるようにその場にへたり込むレオンハルト。  細い両手を地につけて、どうにか華奢(きゃしゃ)な体を支える彼の目は……ひどく(うつ)ろだった。  ……まぁ、無理もない。  いくら勇者と言えど、魔王軍の幹部を相手に立ち回りを演じ、その上、ただでさえ途方もない量の魔力を消耗する殲滅魔法を、ここに至るまでに何度も行使したのだ。  外傷こそほとんど無いものの、既に彼の体はボロボロ。立ち上がるのもやっとの状態だった。  ……だが、それでもレオンハルトはジャンピエールを始末した。  最後に相手の苦しむ顔が見られなかったのは残念だったが……とにかく、女体化と吸血鬼(ヴァンパイア)化などというふざけた呪いを掛けてくれたあの魔王軍参謀総長は、ここで倒すことが出来たのだ。  「は、ははは……」  不意にレオンハルトの顔に笑みが滲んだ。  それは、半ば泣き笑いのような(いびつ)な笑みだったが……しかし。
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