戦乙女はじめました3

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 この時初めて、(かす)かだがレオンハルトの瞳に恐怖の色が浮かび、華奢(きゃしゃ)な彼の体は子どものように頼りなく震え始めた。  「ククク……ッ。どうした、怖いのか? 震えているぞ」  (いたずら)に弱者をいたぶり、(もてあそ)ぶような……そんな、ねっとりとした嗜虐(しぎゃく)の色を言葉に、表情に滲ませながら……。  ……おもむろに、トイフェルはもう片方の腕をレオンハルトの胸元に伸ばし……そして、そのまま“相手が身に付けているボロボロの服を引き千切った。”  「ッ――!!」  ――直後、何も守るものが無くなってしまったレオンハルトの胸が……。  ……今、彼が最も見られたくなかった“少女の部分”が(さら)け出されてしまう。  「ほぅ……」  あごに手を当て、(ねば)つく笑みを浮かべるトイフェル。舐めるような相手の視線に、たまらずレオンハルトは身震いし、(ふさ)がれている口から声にならない悲鳴を漏らした。  (こいつ……ッ!)  あまりの衝撃によって、あらん限りに見開かれたレオンハルトの大きな瞳には、相手への怒りと羞恥(しゅうち)、そして屈辱と悔しさの感情が滲み出し、ぐちゃぐちゃに混ざり合い、飽和(ほうわ)して、瞬く間に透明な(しずく)になって溢れ出した。
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