89人が本棚に入れています
本棚に追加
そう言うと、トイフェルは片膝をレオンハルトの両太ももの間にねじ込んで、強引に勇者の股を広げ始めた。
「ッ……!!」
その瞬間、目の前の男が自分に何をするつもりなのかを悟り、再びレオンハルトの顔が恐怖と絶望に染まる。
おい、やめろ……。
いやいやをするように首を振り、ばたばたと手足を動かして抗うが、相手の体は小揺るぎもしない。
「まずは……心だ。未だに敵意を失っていない貴様の心を完全にへし折って、屈服させる。その後は……そうだな。我ら魔王軍の面前で拷問にでも掛けるか? クククッ。そうすれば、貴様に煮え湯を飲まされ続けた兵たちの溜飲もさぞ下がることだろう」
精悍な顔を醜く歪め、表情に底意地の悪さを滲ませながら、トイフェルは更に言い募る。
「その後は……我らが使役する魔物どもの“苗床”になってもらおうか? いやそれとも、腕の1本、足の1本でも飛ばして、貴様の国に送り返してやろうか? クハハハ。信じて送り出した“人族の希望の象徴”が魔族に屈し、何もかも蹂躙され尽くした挙句おめおめと帰ってきたとなれば、貴様の王は、民衆は、家族は、いったいどんな顔をするだろうな……?」
最初のコメントを投稿しよう!