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……くそっ、くそっ! どけ、離れろよ……!
滂沱の涙を流すレオンハルトに、トイフェルは愉悦の笑みを浮かべながら、少しずつ、少しずつ相手の足をこじ開けていく。
レオンハルトが暴れるほど、まざまざと自身の力を見せつけるように……。
相手の心が悲鳴を上げ、溢れた感情が涙に、嗚咽に、体の震えに変わる様を舐めるように見回しながら、
「怖いか? 悔しいか? ならば、その可愛らしい見た目同様、愛らしく、いじらしく、健気に『お願い』でもして……ん?」
優越感に浸りつつ、更にレオンハルトを追い詰めようとした時、ふとトイフェルは気が付いた。
いつの間にか、レオンハルトの下腹部……。
ボロボロの布切れが僅かに残り、かろうじて大切な場所が隠れている状態の彼の股から、“透明な生暖かい液体”……いや、小水が滲み出していたことに。
「っ……」
……いくら強がっていても、必死に心を奮い立たせても、状況は変わらない。
無力な少女の姿のまま、きっと自分は、こいつのいいように……。
そんな考えがレオンハルトの脳裏を過って、気付いた時には、もう既に手後れだった……。
「……クククッ、ハハハハ! 体は正直だな、レオンハルト。それにしても、まさか勇者が恐怖で失禁とはな。これは傑作だ。いい土産話が出来た」
声を上げ、哄笑するトイフェル。
レオンハルトは歯を食い縛り、なお敵を睨み付けるが……。
……もう、だめだ……。
今の耐え難い恥辱によって、ついにその瞳から力を失ってしまう。
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