勇者レオンハルト

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 「隊長!」  「大丈夫ですか!?」  「お怪我のほどは!?」  シュタールベーアの沈黙を認めると同時に、警備隊の面々が急いでテオドールの元へと駆け寄って行く。  「……なに、別にどうって事はねぇよ」  頬の血を(ぬぐ)いつつ、テオドールは隊員の1人が差し出してくれた液体入りの小瓶……回復薬を受け取り、服用する。  手早く体力の回復を行った彼は、今の戦闘で隊員に怪我人が出ていない事を確認すると、レオンハルトへと向き直った。  「勇者様。確か、先ほどの話では大きな気配は“4つ”との事でしたが、残りの3つは……」  今どこに? と、硬い声音で続けようとした……その瞬間――。  『ヴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!』  再び、耳を(つんざ)く大音声がテオドール達に叩き付けられた。  「ッ!!」  鋭く息を呑み込みつつ、テオドールは隊員達と共に臨戦態勢へと入る。  咄嗟の出来事にも体に染みついた動きで反応し、感覚を研ぎ澄ませる彼らだったが……しかし、  『ヴオオオオオオオオオオアアアアアアアアアアアアアアアア!!』  数秒後、凶悪な咆哮と共に、新手のシュタールベーア達は一斉にテオドール達へと襲い掛かった。
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