樹海のダンジョン

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 ズッ、ズズズ……ッ!  「ッ……!」  鋭く息を呑み込むのと同時に、レオンハルトは“妙な違和感”を感じた足元へと視線を落とした。……次の瞬間、彼の目に映ったのは、“むくむくとせり上がった地面に埋まってしまった自分の右足”。  あたかも地中から這い出てきた亡者に足首を掴まれたかのごとく、見事に絡め取られ、土に埋もれてしまった足を見て、再びレオンハルトの顔に驚きの色が滲む。  ……レオンハルトには、たった今自分がアルミラージに仕掛けられた魔法の正体が分かっていた。  (っ、今度は【錬金術】か……!?)  そう。  今、白ウサギがレオンハルトに仕掛けた魔法……。それは、彼が警戒していた攻撃魔法の類などではなく、“物体に干渉し、自在に加工を行うことが出来る『非戦系』の特殊魔法”【錬金術】だった。  またも裏をかかれ、動揺する……そんな勇者の元へと、ここでついにアルミラージが仕掛けて来た。  『キュウ!』  可愛らしい鳴き声と共に、ターゲットに鋭い角を照準させるモンスター。  それに対し、見事に先手を取られたレオンハルトは……けれど、ひとまず手甲とショートソードで急所を守り、努めて冷静に対応する。
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