プロローグ

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 ただひとつ、 多くのみなとは異なる花をつけている者があった。  薊花(けいか)。  どこにでもある、 黒っぽい色をした野の花だ。  がくが大きくて、 花びらは少し見えているだけ。 葉にも茎にもがくにも棘がある。  風流でもなければ、 とりたてて愛らしくも美しくもない。  それが、 こともあろうか、 合格者の最前列の中央。  最も優秀な成績で合格した者がつく位置。
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