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すると、いきなり可憐な声が後ろから届く。 「さっき、本屋さんにいませんでしたか?」 僕がぎょっとして後ろを振り向くと、そこには黒髪ロングヘアの高校生くらいの女の子が僕の方をじっと見ていた。 僕は戸惑う、持っていた文庫本を落としそうになるくらい。 彼女は続ける。 「本屋さんにいましたよね?」 おいおい、今どきの子はこんなにも積極的なのか?僕は自慢ではないが、あまり女性に対して免疫がない。 自分で言うのも何だが、見た目はキモくないと思う。しかし、生まれてこの方、女という生物に対してはうまく自分を出すことができないのである。 しかし、彼女はそんな僕の生き様を完璧に無視してこう言った。 「実は、私もその小説買いたかったんです。」 「え?あっ?」 思わず間のあいた音が僕の口から飛び出る。 この状況がよくわからない。 「あ、ごめんなさない。あの、私もさっきあの本屋さんにいたんです。」 僕のあたふたした状況を察した女の子というか、その女子は僕にそう言った。 「あ、そうなんだ。」 僕の口からはそんな言葉しか出てこない。というか、この状況がまず理解できていない僕。 「えっと、私もその本が気になっていたんです。なので、今日あの本を買いに行ったんですけど、私が見つけた時にはもうすでにあなたが持っていたので。」 彼女も急にあたふたしながら説明をしだした。 「私、ストーカーじゃないですからね!」
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