怯えた犬

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そう言って服を手渡そうとしたが、 膝を抱え込んだまま動こうとしない模様。 「はいばんざーい。 」 「!?」 俺はそう言いながら少年の手をすっと上に持ち上げた。 驚いているその隙に服をばさーっとかぶせる。 サイズが大きい・・・大きいけど・・・ 「これはこれでイイ!!」 「?」 ブカブカの服から覗く白い肌。 素敵ではないか。 俺はウンウンと一人頷いた。 その時、 『ぐぎゅううううぅうう』 「!!」 俺の腹が鳴った。 「俺の腹が空腹を訴えている。 よし、 なにか食べよう、 さ、 君もおいで」 俺はそう言うとさっと立ち上がってキッチンに向かった。 さーて何を食べようか。 実は料理はあまり得意ではない。 「コメ・・・ある。 」 よし、 おにぎりにしよう。
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