怯えた犬

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(だとしたら新しいご主人様なのかな・・・) きっとそうだとボクはひとまず納得した。 はっとした時、 腰をかがめてじっとこっちを見つめられていた。 「おにぎりの作り方。 握るだけ。 」 え? 言葉の意味がわからない。 この人はボクの手を掴むと手のひらに暖かいものを乗せてきた。 「こうするんだ、 そうそう、 」 ボクは見よう見まねできゅっきゅっとした。 それを何回か繰り返した。 「かーんせーい」 たくさんのおにぎり(そう言うらしい)がお皿に並ぶ。 「さ、 食べよう」 彼はそう言ってばくばくとおにぎりを頬張った。 ボクは唖然としてみていた。 「むぐむぐ、 食べないのか?は!味噌汁がない!」
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