怯えた犬

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「ごめんなさい・・・。 ごめんなさい・・・。 」 俺はおにぎりを飲み込めずに結局吐いてしまった少年の背中を擦る。 ふむ。 この少年はおにぎりが嫌いだったのだろうか。 少年は「ごめんなさい」とだけ言うと、 それきりまた黙りこんでしまった。 うーむ。 これはなんとも不思議だ。 俺だけではどうもわからないことばかりだ。 友だちに聞いてみよう・・・。 俺は数多い友達のうちの助けになりそうな何人かを頭のなかで選出し、 これから会いに行くことに決めた。 「よいしょっと」「!?」 俺は俯いている少年を方に担いだ。 驚いているようだが抵抗する様子はない。 不思議だなぁ・・・。 そう思いながらベッドに運びとさっと下ろす。 「寝てないんじゃないか?さぁ寝るんだ!!」
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