怯えた犬

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「・・・?」 住んでいるマンションの近くまで来た時、 地面に白い塊が落ちているのが見えた。 不審に思って近づいてみる。 すぐ近くに来た時、 それがものじゃないと知る。 「・・・にん・・・げん・・・?」 目を疑った。 なぜならこの真冬のなか真っ白いカッターシャツ一枚で倒れていたから。 白いカッターシャツには同じような白さの雪が降り積もっていた。 積もった雪からうっすら金色が見える。 アレが頭だろうか? (死んでる・・・?) 駆け足で寄り添って抱え込んでみる。 積もっていた雪をなるだけ優しく払い落とす。 (よかった、 息はしている) ともかく暖めないと。
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