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時は戦国。
史上に残らぬ武家の陥落はあり、糺良家もその内の一つだった。
夜分に火を放たれ襲われた。その家の一人娘である『桔梗』は、身代わりとなった下働きの娘のお陰で逃げのびることができた。
だがしかし、もはや身内の一人もおらず、見ず知らずの土地に着のみ着のままで生きることになった桔梗は、『遊女』と呼ばれる者たちが働く籠屋に身をおいた。
そこで偶然桔梗を見つけたのが、糺良家と縁のある侍──忠匡だったのだ。
忠匡は桔梗から事情を聞き、それでも『籠女』として懸命に生きるその姿に心を打たれた。
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