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「特に母の事。父が思っていた事だって。自分はいつまでもこだわっていたのは何だったんだろうって。ぐらぐらの日に その日麻生君に会って」
.....会って 甘えてしまった。
「....会って?」
言えない言葉を促される。
「...うん。麻生君に....甘えた」
「なぜ?なぜだ。なぜ俺に甘えた?」
…なぜって。
さっきまでゆっくり話すのを待ってくれていたのに麻生君は今は私がまだ言おうとするのを待たずに急かす。
気がつけば私の手が彼の手に上からぎゅっと強く握られている。
なぜって…。
思わず彼の方を向くと
さっきまでの無表情が今は切羽詰まった顔になっていて。
それはまるで私に恋焦がれたような。
目は切なそうに憂いをおび何かを期待している。
....ごくりと私の喉が鳴った。
まだ間に合う?
話を聞いても呆れていない?
彼の態度に少しの自信をもらい自分の気持ちをさらけ出す。
なぜって…。
そうじゃなければ流石に手を引いて連れて来なかった。
それしか答えはない。
…どうか
「麻生君の事が...」
どうか 受け入れて。
「麻生君の事が す 好き だったから」
...声が震えた。
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