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そんなやさしい父が私は大好きでいつも父の傍に居たくて宿題が終わると店のある一階に下り厨房の隅の邪魔にならない所に居ては小さいながら洗い物や出来る事は進んでやった。
父が喜んでくれるなら小さい体では大変な事でも何でもなく思えてどんな事でも頑張れた。
だからこそ 嬉しそうに笑ってくれるから勉強だって頑張った。
中学の部活は活動の少ない書道部に入りなるべく早く家に帰っては店の手伝いをした。
大きくなるにつれ 段々わかったのは父がけっこうモテると言うこと。
私が中3の時父は40歳だったけど 5歳は若く見えてやさしそうだしそこそこ見目良く。
雰囲気が洗練された感じを持っていて これは不思議と持って生まれたモノみたいで都会と縁が切れてもそれは変わらなかった。
そんな父に大きな娘がいても言い寄ってくる女の人は常に居る。
でも思春期の私は父に再婚はしてほしくなかった。
言い寄る人の性格がよさそうな場合、父が気に入る可能性が高い。
だから上手くいかないよう接点を無くそうと私が居る時間はその人の接客やレジも私が入った。
私だけの父でいてほしかった。
どうしても。
母のように私より大切な一番を作って欲しくなかった。
私にとって それは捨てられるに近いものだったから。
父のカフェは シアトル系のコーヒーショップやコンビニ・ファストフードの気軽なコーヒーが流行ってもあまり影響されず そこそこ繁盛していた。
私が作るアイスクリームとスイーツや 父のいれる美味しいコーヒーとオムライスのせいか。
はたまた 父がモテるおかげで熱心な女性客がいるせいか。
どちらにしろ
親子二人で生きていくにはまずまず心配ない状況だった。
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