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目が覚めて目の前のまだ眠る麻生君を見上げる。
仏壇の父の気配を微かに感じながら彼だけを見つめる。
うちの広くないリビングでラグの上に座りソファーに凭れながら開いた脚の間に私を緩く抱き締めて。
目の下には隈。
疲れていると容易に予想できる。
見るからに仕事ができて素通り出来ないぐらい大物感が溢れる人。
真実の彼は面倒見が良くてやさしくて
少し子供っぽく。
そんなこの人が堪らなく愛しい。
彼の疲れを私が癒せれば どんなに幸せだろう。
労る気持ちと愛しさで無意識に右手で彼の顔を撫でた。
全ての鎧を脱ぎ捨てたような軽くて疲れたようなそれでもすっきりした気持ちだった。
彼の答えは分からないけどちゃんと話して向き合う。
遠恋の彼や結婚の事も。
呆れて私ヘの気持ちが覚めるかもしれない。
私の複雑な気持ちを全て理解出来るとは到底思えない。
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