第一章 夜半の邂逅 1

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 眞尋はヤクザたちのそばに行き、睨みつけた。 「こいつらが、何したってんだ?」  ヤクザのひとりが、面倒臭そうに説明する。 「イカサマだよ、イカサマ。あり得ねぇ大勝ちしてっからよ、こっちとしては違法な遊びは取り締まらねぇと駄目ってことだ」  航大は震えながらも、小さな声で呟く。 「そ、そんなの……してません……」  ヤクザはそれを聞き逃さず、鬼の形相で航大に凄んだ。 「言いわけしてんじゃねぇ、クソガキが、あり得ねぇっつってんだろ!」  眞尋はふっと鼻で笑う。 「そんなもん、どうせ仕組んで、こいつらに喧嘩売るために、わざと勝たせたんだろーが」  先程、綾人を放り捨てたヤクザが、今度は眞尋に詰め寄ってきた。 「何だとぉ?!」  掴もうと伸びてくる腕を、眞尋は払いのけ、航大と綾人に声をかける。 「帰んぞ。お前らが脅される理由なんてねぇだろ!」  ふたりとも泣きそうな顔をして、はしゃいでいた笑顔は完全に消えてしまっている。  眞尋に従って、小走りについてくる。 「待て!!!」  ヤクザの怒声が続くが、もちろん、聞くわけがない。  しかし、フロアの出入り口付近で、思わぬ人物に行く手を塞がれた。  ピアノを奏でていたあの少年──     
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