第一章 夜半の邂逅 3

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 眞尋はぽつんと立つバス停を見つける。それは現在地を把握する目印になる。 「おっ、近くに古りぃ神社あっからよー、行こうぜ。雨宿りもできるしよ」  さっそく草履の(きびす)を返し、草むらに入っていく眞尋に、理夏は「古い神社?」と聞き返す。 「夜更けにそんなところにいって、ヤバくないのか……」 「なんだぁ、てめぇ、怖えぇのか?」 「別に……」  不満そうにしながらも、理夏は眞尋についてきてくれる。眞尋は両手を広げて話す。 「平気だって! たぶん、イイ神さまがいるんだよなー、そこに賽銭入れて馬券当たったこと何回あると思ってんだよ!」 「馬券って……未成年だろう」  呆れた様子でスマホを取りだして、森を歩く明かりにしてくれた。 「なんだよ、意外に真面目なんだなぁ、てめぇさぁ!」 「俺は、眞尋みたいにヤンキーじゃない……」  目的の神社はそれほど大きな(やしろ)ではないし、朽ちかけてはいたが、夜になると明かりがつく。  闇に浮かぶ灯籠の灯が、ちらちらとおぼろげに見えてきた。  雨は強くなっていくばかりで、お互いにかなり濡れている。足元もじっとりと水を含んで滑りやすくなって、鳥居も見えてきたところで、理夏がつまずいた。ぐらりと傾ぐ身体。  眞尋はとっさに理夏の手を握る。     
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