第一章 夜半の邂逅 3

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「理夏といっしょに、連れて来られちまったんだ。遊郭まで送ってくんねぇかなぁ」  ヤクザたちは目配せをし、理夏と別の車に眞尋を案内する。  すぐに発車し、慌ただしくて(理夏と別れの挨拶も出来なかったじゃねぇか……)などと思う眞尋だった。そして、窓の外の景色は遊郭に戻ることもなく、どこか別の場所に向かっていく。 (まじかよ……助かった、帰れるって思ったのによ……)  うんざりしながらも、同乗しているヤクザたちに声を上げる。 「おい、てめぇら、どこに連れてくつもりなんだよ──!?」
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