6・佐藤家の水田

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集中すると、二人の男性が現れた。二人とも同じ作業着を着ている。 一人は50代くらい、もう一人は30歳前後であろうか? 私は話を聞いてみることにした。 「すみません、何があったのか聞かせてください」 私が問いかけると、二人は顔を見合わせた。すると50代くらいの男性が話し始めた。 『……俺らは佐藤さんに頼まれた塗装屋だ。あの日は屋根のペンキ塗りを頼まれてな。この広い屋根だ。俺らは二人で登ってたから全部見てた。俺がタク坊に話しかけなきゃ……』 『親方だけのせいじゃねぇよ。俺だってタク坊に話しかけたんだ……つか、話しかけても話しかけなくても、あんなこと起こるなんて誰も予想がつかねぇよ……』 彼らは全てを知っているようだ! 「内容は教えていただけないですか?」 『……あー……タク坊に関しては俺らのせいかもしれねぇ。けどリュウのあれは事故だな。そして鈴木さんのとこも……』 タク坊?リュウ?亡くなった二人の少年の名前だろうか?鈴木さんとは、この佐藤家の向かいのお宅でそこでも数名亡くなっている。
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