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『熱で朦朧としていたから気付くのが遅れたが、片方のボンベが空に近かったんだ……きっと家の中でガス漏れが起こっていたはずだ……』
生前は真面目な人だったのだろう。ガスボンベが外に二つある理由などを教えてもらった。
『やっぱり俺のせいだ……』
灯油宅配の業者がまた泣き始めた。
『ここのお宅はボイラーに灯油を使っていたんだ……だから冬じゃなくても外のタンクに配達に来るんだ……。
ガスボンベのすぐ近くに外タンクがあったんだ……俺はその日、ホースが劣化して灯油が漏れてるのに気付いていたのに、会社に戻るのが面倒で知らないフリをしていたんだ……。
そして大きな音が鳴ったと思ったら爆発さ……お隣さんが留守だったのが不幸中の幸いだった……』
たしかに両隣のお宅も全壊している。
「悲しいことですがもう終わってしまったこと。お二人も亡くなられています。あの世で罪滅ぼしをしてください」
そう告げると、二人は泣きながら空に消えて行った。
……さて、大きな音ですか……。
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