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「はじめまして、貴婦人。」
貴婦人とは高貴な身分の女性を指す。
身なりもさることながら、雰囲気も上流階級の重々しさを感じさせる彼女を前に、軽やかな少女の声は堂々としていた。
「私はロー・レイニー、半人前ですが魔女です。こちらは私の悪魔、キバガエル男爵。私たちはある人の依頼で来ました。」
少女は服装も落ち着いていた。深い藍色のワンピース、ロングストレートの黒髪はワンピースと揃いと藍色リボンで緩い三つ編みに纏められ、仄かに雨の匂いがした。
隣の従者は少女より背の低い、二足歩行の大きなカエル。褪せた橙色のチェックのスーツを着た彼はやや粗野な雰囲気。大あくびをかましながら、退屈そうに少女の隣に侍っていた。
「貴方に伺いたいことが3つあります、答えていただけたら嬉しいわ。」
少女は礼儀を尽くして貴婦人を見上げた。
「まずは、そうですね。…貴方は喋れますか?」
「……………煽ってんのか?」
肖像画の貴婦人は無言でその問いの返事を返した。
質問回数、残り2回。
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