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辰吉の身が、どんどん長くなっていき、やがて五メートルほどにまで伸びた。
緑色の鱗に覆われながらも、黄金色に輝いている。
「驚いたか?」
鎌首を上げた辰吉にそう問われ、小雪は首を振った。
小雪は、龍神へと変化を遂げた辰吉の神々しい姿にただ見惚れていた。
「お前はここまでだ。ありがとう」
辰吉はその大きな顎を、地下室への隠し扉に向けると、大きく振り被った。
「社は神聖だが、この部屋だけは汚れている。だから、破壊に一辺の躊躇もないわ」
辰吉はその扉を勢いよく砕いた。
階下には、今まさにコトを始めようとしている竜之介と村の女子の姿がある。
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