遺書

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「そのままの意味だよ。君はずっと、この先もずっと、他人に自分を変えてもらおうともがく。そしてそれが叶わないとしるや、退屈だの死にたいだの言い出す」 「なんだか、刺があるね?」 驚きながら返信した。いつものみなとなら優しく励ましてくれ、慰めてくれるはずだ。僕の戸惑いを他所に、みなとの返信はやまない。 「君はずっと言ってたね。好きな人ができれば変わるはずって。世界が素晴らしく思えるはずだって。でも好きな人が出来た君は、好きな人に近寄る別の人間や、好きな人の言動に苛立って世界は人生はクソだって言い続けたね」 僕が返信を打つまもなく、続けてみなとは投稿する。 「それからしばらくして、恋人ができれば世界は良くなるって言い出したね。私はちょっと面白いなって思った。ごめんね。だけど君は行動しなかったね。好きな人に好きになってもらう努力もしなかったね。それで適当な人と付き合い出したね。向こうが君を好きになってくれたんだっけ?良かったね。節穴が身近にいてさ」 あまりの言い草に、僕はもう腹が立って、「なんなの?」と一文だけ打ち込んだ。
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