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みなとは僕の返信を見ているのかいないのか。
「恋人ができた君は、今度はセックスについて言及しはじめた。童貞を捨てたい、とね。まあいいんじゃないの。個人的に童貞も処女も『捨てる 』ものではないと思ってるけど。そして君は童貞を『捨てた 』ね。なんでもつぶやく君も詳細は書き込まなかったから致したことしか知らないけれど。さて、童貞ではなくなった君は次は何を言い出したか?」
「もうやめろよ」
僕はみなとを黙らせようと牽制した。だけどみなとは凄まじい速さで返信を送ってくる。僕はこのとき彼女をブロックすべきだったのだろう。だけど頭に血が上って、それでいて目眩のような感覚に襲われてまともな判断ができなかった。ただ、みなとの静かな罵倒、嘲笑を読み続けるほかなかった。
「童貞じゃなくなった君は、三日もすれば虚しさで苦しみ始めたね。本当に好きな相手じゃないから無意味だったと。相手が気の毒だよ。きっと彼女は『 処女を捨てた』のではなく、『 処女を捧げた』のだろうから。それにね、君、三日は幸せに浸ってたはずだよ。浮かれていたよ。世界が輝いて見えるって。彼女を一生守るって言ってたよ。なのにね、君はそれからすぐに彼女と別れたね、呆れるよ」
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