諦めるために 巡視点

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 ドキドキしながら、自分の席にボクは大人しく座っている。  早く来て欲しいような、来ないで欲しいような…。  そんな不思議な気分だった。  (う~、やだな…)  若干身体を縮こまらせつつ、憂鬱に思う。  昨日まで重さがあった頭は今日から軽くなったはずなのに。  気分は重くなる一方。  憂鬱な気分で座っていると、二つある扉のうち、後ろの方の扉から賑やかな声とともに数人の生徒たちが入ってきた。  その中に  「でさー」  という声がボクの中で一際際立ち、無意識に拾ってしまう。  (来たっ…)  と思うが、声には出せず、ギュッと目をつむった。  声の集団が後ろの方で止まる。
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