虹色の馬

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朝、起きるとお母さんの目が真っ赤になっていた。 「どうしたの?」 お姉ちゃんのソララが聞いた。 「パンちゃんがね、お空の国に行っちゃったのよ。」 と、お母さんは寝ているパンちゃんを撫でながら言った。 パンちゃんは僕たちが生まれるよりずっと前から、家にいるペットの犬だ。 「どこにも行ってないよ。そこで、寝てるよ?」 「うん。でもね、もう起きないの。これからずっと。」 「へー。なんでだろ?」 「昨日、寝るのが遅かったのかな?」 お姉ちゃんのソララが言った。 すると、お母さんが、わっと涙を流した。 僕たちは困ってしまった。 だって、お母さんがこんなに泣いているの見たことがなかったから。 「何で泣いてるの?」 ソララが聞いた。 「さみしいの。パンちゃんがお空の国に行っちゃったから。あなた達もお友達とバイバイしたあと、さみしいくなるでしょう?」 「うん。さみしいよ。」 「でも、バイバイまたねーってするから、大丈夫だよ。」 と僕は言った。 「そうね、リリク。」 と、お母さんが僕の頭を優しく撫でてくれた。 僕はお母さんの柔らかい手が好きだ。 「でも、お母さんね。パンちゃんにキチンとバイバイ出来なかったの。今までありがとうって言えなかった。だから、かなしいの。」 そう言って、お母さんはまた泣き出してしまった。
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