【2】~徳田真美side~

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結婚を先延ばしにすることは別にいい。お父さんは、結婚をやめろと言っているわけではない。だけど、近い未来の希望が断たれた気がした。 結婚が決まり、私も巧巳も結婚費用を少しでも貯めるために仕事も頑張ってきた。やっと結婚出来ると思った矢先の巧巳の病気。結婚延期の事実。 遣る瀬無かった。 __その夜、自室のベッドの中で眠れない夜を過ごしていると、母が私の部屋に入ってきた。 母は、私の枕元に静かに腰を下ろし、私の頭を優しく撫でた。 「巧巳君には、結婚延期のこと、真美からは何も言わなくていい。巧巳君は今、真美との結婚だけが心の支えだと思うから。それに巧巳君だってわかっているはずだもの。すぐには結婚できないこと。巧巳君の親御さんには、近いうちにお父さんが話をするって言っていたから。私は、今でも真美は巧巳君と結婚してほしいって思ってるのよ?私もお父さんも巧巳君のこと大好きだから、これから全力で巧巳君をサポートするつもりだから安心しなさい」
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