【3】~間宮巧巳side~

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押し黙る俺に気付いた姉は、少しだけ声のトーンを落として言った。 「なんでアンタなんだろうね。大阪に住んでなかったら、今すぐにでもアンタのとこに行ってやるのに……。とにかく“病は気から”ってよく言うでしょ?別に死ぬわけじゃないんだから、いつまでもシクシクやってないで、気持ちを切り替えなさいよ、わかった?」 はは、偉そーに。何様だよ。 「おう、サンキュ。また掛けるわ」 『うん、いつでも掛けてきな』 「じゃ」 『じゃーな』 ふ、相変わらず口の悪い女。簡単に腎臓あげるなんて言いやがって。 だが、姉貴の力強い声を聞いていたら、少しだけ不安が引いた気がした。 病気の宣告を受けてから、母は泣いてばかりだったから、いつも通りの姉貴の態度に安堵した。 __“病は気から”か。 まだ到底前向きには考えられないが、起きてしまったことはどうしようもない。いくら涙を流しても、泣き叫んでも、病気が治るわけではない。 今はまだ、とても笑える状態ではないが、泣くのはもうよそう。
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