94人が本棚に入れています
本棚に追加
/75ページ
今日で入院して三日目だが、血圧を下げる薬を服用していたため、入院した翌日には二百以上あった血圧もだいぶ下がってきていた。
入院してからは毎朝、採血と尿検査をしている。尿検査でクレアチニンの数値がわかるのだが、クレアチニンが下がれば、緊急手術をしなくても済むという。
「何か食べたいものあるかぁ?」
父がまたバカでかい声で言うが、腎臓機能が低下した今、俺が食べられるものは限られている。
「あるけど、食べられないだろ」
「ああ、そうだったな。すまないすまない、はっはっは」
気遣いのない父の言葉に母共に苦笑い。父は姉によく似ている。だから衝突も絶えなかったのだろう。
腎臓病になると、タンパク質、カリウム、食塩、エネルギーの摂取量の調節をしなければならない。タンパク質やカリウムや食塩を控えつつ、エネルギーは補充しなければならないのだ。
ほとんどの野菜にはカリウムが含まれているため、野菜を食べるときは切った野菜を三十分水に浸し、カリウムを抜いた後に調理をしなければならない。
最初のコメントを投稿しよう!