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必死に俺を庇い祖母を責める真美とお父さん。
二人の気持ちは痺れるほど嬉しかったし、祖母の一言には盛大に傷ついた。だが、祖母の気持ちも痛いほどわかる。
もし、俺に娘がいたら、苦労が目に見えている男との結婚に反対するかもしれないから。その時になってみなければわからないが、真美を愛するが故の祖母の発言だということはわかっている。
「ねぇ、おばあちゃんっ、巧巳に謝ってよっ!ねぇ、おばあちゃんってばっ」
俺は激しく祖母の身体を揺さぶる真美の手を掴んだ。
「真美、もういいから」
「なんでよっ!おばあちゃんが巧巳に謝ってくれるまでやめないっ」
大粒の涙をポロポロ流す真美の身体を引き寄せ抱きしめた。
「いいんだ。いいんだよ、真美……お婆さんの言ってることは正しい」
「正しくなんかないっ、間違ってるっ」
震える真美の身体を剥がし、真美の頬をそっと包み涙を拭う。
「真美、ありがと。こんな体になった俺を文句も言わず支えてくれて」
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