【3】~間宮巧巳side~

13/14
前へ
/75ページ
次へ
真美はこれまで以上に顔を歪め、絶え間なく涙を流している。瞼の中に溢れんばかりの涙を浮かべた真美は、 「ヒック……当たり前でしょ……結婚するって決めたんだからっ……ううぅ」 と、再び俺に抱き付いた。 この時こそ、この現実が、俺の病が、夢であってほしいと願ったことはなかったかもしれない。 これまで俺のどんなワガママにもついてきてくれた真美。可愛くて、思い遣りがあって、実直で、俺には勿体ないくらい、いい女の真美。全てが愛おしい真美。 __だが、手放さなければならない時が来たのかもしれない。 真美の祖母の一言で気付かされた。俺は、真美に幸せになってほしい。 __「真美、今まで本当にありがとう。俺、一人でも大丈夫だからさ……      __別れよう」 俺の言葉に真美が大きく目を見開き、次の瞬間、絶叫にも近い叫び声をあげ、その場に崩れ落ちた。 「やぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ」
/75ページ

最初のコメントを投稿しよう!

97人が本棚に入れています
本棚に追加