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真美はこれまで以上に顔を歪め、絶え間なく涙を流している。瞼の中に溢れんばかりの涙を浮かべた真美は、
「ヒック……当たり前でしょ……結婚するって決めたんだからっ……ううぅ」
と、再び俺に抱き付いた。
この時こそ、この現実が、俺の病が、夢であってほしいと願ったことはなかったかもしれない。
これまで俺のどんなワガママにもついてきてくれた真美。可愛くて、思い遣りがあって、実直で、俺には勿体ないくらい、いい女の真美。全てが愛おしい真美。
__だが、手放さなければならない時が来たのかもしれない。
真美の祖母の一言で気付かされた。俺は、真美に幸せになってほしい。
__「真美、今まで本当にありがとう。俺、一人でも大丈夫だからさ……
__別れよう」
俺の言葉に真美が大きく目を見開き、次の瞬間、絶叫にも近い叫び声をあげ、その場に崩れ落ちた。
「やぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ」
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