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【4】~徳田真美side~
__巧巳に別れを告げられ夜、心配する両親の話も聞かず、自室に閉じこもった。
なんど巧巳に電話しても、巧巳が電話に出ることはなかった。ラインの既読すらつかなかった。
巧巳は傷ついている。誰よりも。
巧巳を一生支えていくと決めたのに。巧巳と共に病に立ち向かっていくと決めたのに。巧巳はそれを拒絶した。私を想っているから。
なんで?ねぇ、どうしてなの?どうして巧巳なの?どうして一緒にいられないの?巧巳のいない世界なんて考えられないよ。
結婚なんてしまくてもいい。ただ巧巳の傍にいたい。それさえも神様は許してくれないの?
灯りもつけずスマホ画面を見つめる。スマホに映し出されているのは、巧巳と最後に一緒に撮った写メ。退院が決まった日、巧巳の病室で撮った写メ。満面の笑みでピースサインをする巧巳。
私はスマホ画面に映し出された巧巳の顔を指でそっと撫でた。
嫌だよ。ねぇ、巧巳。別れたくないよ、ねぇ、巧巳。
__愛してるの。
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