第弐

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「髪も上げたろか?」 そう言われたのだが、雛乃の脳内では舞妓さんがする様な髪型が浮かび…。流石にそれはちょっと恥ずかしい…と思ったのは言わないでおく。 「いえ、大丈夫です。下の方でまとめますね。」 そう言うと、手首につけていたシュシュで髪をサイドに一つに纏める。 「なんやえらい便利なもん持ってるんやなぁ。」 「シュシュって言って、髪結い紐の未来の形です。」 しゅしゅ?と首を傾げる山崎を見てふふっと微笑む雛乃。 「まぁ、ほな、皆待ってるやろうし行こかぁ。かいらしい姿皆に見せんとなぁ?」 嫌味でもなくストレートに言う山崎に真っ赤になる雛乃。そんな雛乃を本当に可愛らしく思い、つい頭を撫でる山崎。 「なんや色々困った事あったら、いつでも、何でも言うんやで?」 一応は監視対象なのだけれど、山崎の中で雛乃が嘘を言っているとは思っていなかった。土方とて、信じているのだ。けれど土方が疑わなければならない。それがあの人の役目だ。 「有難うございます。では、行きましょうか」 「せやな」と言い、どこか名残惜しく思いながらも雛乃の頭を撫でるのを辞め、二人で広間へ向かった。
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