忘れ物

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俺は忘れ物が多い。 いつもきちんと確認してから出るはずなのに何かを忘れている。筆箱とかハンカチとかならまだ分かるが、カバンを丸ごと忘れたりする。 今日もきちんと確認してからドアを飛び出したはずだったのに、気がつくと何も背負っていなかった。 飛び出してすぐなら何とかなったのかも知れないが、もう手遅れなところまできてしまっている。 「さてどうしたものか…」 左右を見渡すと友人たちが俺が何も背負っていない事に気づいている様子でこちらを見ていた。 「気にするな!忘れ物には慣れてるから!」 俺は大声で叫んだ。友人たちは不安げな表情を浮かべたまま、背負っているパラシュートの紐を引いた。 彼らとの距離があっという間に離れていき、どんどんと地面が近づいてくる。 「さて、俺は何を忘れていたら助かるのかな…」
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