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「てるてる坊主を作っていた頃が懐かしいなぁ」
「あ、分かる! いつの間にかてるてる坊主作らなくなったもんね! いつからだろう……?」
「あんなものに『明日晴れますように』って言っても、てるてる坊主からしたら迷惑しかないんだろうけど……」
「そうだねぇ。大人になって、てるてる坊主が『首を吊らされている』と理解した時はぞっとしたなぁ。子供の時はキャッキャしながら首に糸を巻き付けてたのにぃ。それもキッツ~ク!」
「晴れなかったらその首をチョンと切るって……アイツ等が一体何をしたのか……」
童謡の『てるてる坊主』の三番目の歌詞の中で出てくる一文。
『それでも曇って泣いてたら そなたの首をチョンと切るぞ』
あれを子供に教えないのは正解だと思う。いや、僕以外の人間もそう思っているだろう。
だってあれじゃないか、会社で例えるのなら無理難題を押し付けられた挙句、何の結果も出せなかった人間にいきなり『解雇通知』を渡すようなものじゃないか。
理不尽極まりないだろうに。
アイツ等だって好きで『てるてる坊主』として生まれたわけじゃないのに……可哀そうだな。
……いや、運動会の前日にてるてる坊主を作って、それでも晴れなかったせいでそのてるてる坊主に八つ当たりしたのは僕ですけど。
そんな僕に、今更同情して欲しくないだろうしなぁ……
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