6人が本棚に入れています
本棚に追加
いつもと違う夏休み
少女は夏休みが嫌いだった。
家にいれば、両親が喧嘩する声が朝から晩まで耳に入ってきた。家の中を歩くだけでも、怒られないかビクビクしなければならない。
外に出れば、近所に住む同じ小学校の同級生があからさまに無視したり、意地悪してきたりする。
学校があっているうちは授業がある分ましだ。授業中は先生の話しに集中しているふりをすればいいし、休み時間だけ一人でいることに耐えればいい。
でも、今年の夏休みは毎年のものと少し違った。
不仲だった両親がとうとう離婚し、仕事で忙しい母の元から、祖母の家に預けられることになったのだ。
最初のコメントを投稿しよう!