夕暮れ時

1/4
前へ
/18ページ
次へ

夕暮れ時

少し昼寝をと言われて、起きてみれば、もう夕方だった。 外が薄暗くなってきていたから、夜に近い時間帯だったのだろう。 起き上がって、布団を畳むと、 部屋に隅に子供が二人座っていた。 「うわぁ!!」 『ひゃぁ!!』 私は驚いて、せっかく畳んだ布団の上に尻餅をついてしまった。向こうもなぜか盛大に驚いている。 『ねぇ、あの子見えてるよ』 『ねぇ、見えてるよ!今時珍しい』 何かこそこそ言っている。大人だったら怖いけど、相手は子供だ。一人は私と同じくらいで赤い着物を、もう一人は中学生くらいだろうか、水色の着物を着ている。先程窓ガラスのそばで見掛けた子達に違いない。 ここにいるということは祖母の知り合いだろうか。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加