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「あの!」
まだひそひそ話している二人の会話を、少し大きな声を出して遮った。
「あの、あなたたち、おばあちゃんの知り合いの人?
なんでここにいるの?」
二人は互いを見て、赤い着物の子供が頷いたかと思うと、
近づいてきて、まあ落ち着きなよと言ってきた。
『私はミコト、向こうはマコト。
君のおばあさんとは知り合いと言えば知り合い。
向こうは覚えてないだろうけど。
ここにいるのは、君に興味があったから、覗いてた』
言い方は少し引っ掛かったが、祖母の知り合いならここにいても怒られることはないだろう。私は二人に少し興味が湧いてきた。同じ年の子供と普通に話すのは久し振りだ。
ここには、なんであいつと話してるの、と見張る目はない。
「そっか。私ははるか。
私は寝起きでいきなり人がいて驚いたんだけど、ミコトさんとマコトさんはなんであんなに驚いてたの?」
ふむと一拍間を置いて、ミコトは答えた。
『私たち、座敷わらしと九十九神なんだ。
最近は子供にも気付いてもらえないことが多いから、
久し振りでビックリしちゃったんだよ』
ビックリしちゃったのはこっちだよ、
私は心の中で突っ込んだ。
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