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まずは川。
川の水はすごい透明度だった。
町の川みたいにどぶの臭いなんてしない。
川の底の石や泳ぐ魚や水草がきらきら輝くのが見える。
『はるか、足元の石は滑るからゆっくり、気を付けて。
あと、冷たいからあんまり深いところにはいくなよ』
マコトさんが慎重に教えてくれる横で、ミコトさんは
『なに言ってるんだよ、そんな柔じゃないだろ』
と後ろからいきなり押してきた。
おかげで、上から下までずぶ濡れ。でも、川の水は本当に冷たかった。水は沁みるけど、水の反射できらきら光るそこが見えた。息が続くならずっと見ていたいくらい。
「げほげほ、なにするんだよ。ミコト!」
『お、やっと本性出してきた感じだな』
ミコトは笑って、でも川の中は綺麗だったろと、頭をわしゃわしゃ撫でてきた。
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