第3話

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「頭をあげて。今日は泊まっていきなさい。……大いにオヤジさんの愚痴大会と行こうじゃないか」 この村長、良い奴だ。 「ごめんね、毎日俺、聞かされてたから代わってくれると助かるよ」 少年を持ち上げながら、世襲逃れした青年が言った。 わかるよ、アレを目の当たりにするのとしないのとでは違うからな。 「お言葉に甘えてお邪魔します」 すると肩を叩かれた。振り向くと、ぷにっとされる。 「うふふ、女勇者さん、お名前はなんておっしゃるの? 」 ちょっとふくよかだが、綺麗な女性だ。 「あ、俺のカミさんだよ」 温和夫婦だな、をい。 「フランチェスカ、です」 「フランチェスカさん、素敵なお名前ね。お夕飯、奮発するからお義父さんお願いね」 ……なんだろう、この夫婦。 ちょっと嫌な予感がしなくもない。
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