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「頭をあげて。今日は泊まっていきなさい。……大いにオヤジさんの愚痴大会と行こうじゃないか」
この村長、良い奴だ。
「ごめんね、毎日俺、聞かされてたから代わってくれると助かるよ」
少年を持ち上げながら、世襲逃れした青年が言った。
わかるよ、アレを目の当たりにするのとしないのとでは違うからな。
「お言葉に甘えてお邪魔します」
すると肩を叩かれた。振り向くと、ぷにっとされる。
「うふふ、女勇者さん、お名前はなんておっしゃるの? 」
ちょっとふくよかだが、綺麗な女性だ。
「あ、俺のカミさんだよ」
温和夫婦だな、をい。
「フランチェスカ、です」
「フランチェスカさん、素敵なお名前ね。お夕飯、奮発するからお義父さんお願いね」
……なんだろう、この夫婦。
ちょっと嫌な予感がしなくもない。
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